リアル・アニー・サリヴァンに敬意を…の巻

こんにちは!クリップスのムリンズ由美子です。ショウが通う特別支援学校の文化祭に行ってきました。

高校3年生。学校生活最後の文化祭です。

私は昔から涙腺が緩い傾向にあるのですが、最近は、ほぼ壊れた蛇口状態で、ちょっとした喜怒哀楽でもドババーと涙腺全開となり、氾濫状態と化します。

文化祭のハイライトは、生徒たちによるパフォーマンス。今年は音楽と踊りを中心に、各学年がテーマを掲げ作り上げたエンターテイメントでした。

合奏は、素人の耳にもときどき音程が外れるのが聴こえ、テンポがずれることもありました。しかし、沢山の音が集まると、ミスタッチを超えて、旋律がはっきり耳に届きます。ダンスを含む見せ場は、完璧でないからこそ、リアルな世界感が伝わり、応援したくなる気持ちが溢れました。

1人1人は、支えが必要な生徒の集まりです。がしかし、その子たちが集い、協力し合うことによって、壮大な楽曲が出来上がり、拍手喝さいを浴びるパフォーマンスが生まれます。人間の持つ力。協力することの重要性。この子たちは、世の中を変える力があると確信します。ステージを見ながら、涙腺全開になったのは、この子たちが持つ「可能性」に対してのエールだと思います。

そして、もう一つ重大なドラマが存在します。

生徒たちの輝きの裏には、教員方の多大なサポートがあります。生徒の隣で指揮する先生、少し離れたところから見守り、指示出しする先生。裏方で楽器やステージを整えるために奔走する先生。どの先生方も、この子たちの真の伴走者です。

ヘレン・ケラーは、苦難を乗り越える偉業を達成しましたが、その後ろにいたアニー・サリヴァンの功績は同じだけの賞賛に値し、「奇跡の人」の主役はアニー・サリヴァンであったことに納得します。

盲目のランナーには、同じだけの体力を要する伴走者がいます。

パラリンピックのメダリストたちにも、それを可能にしたパートナーがいます。

そして特別支援学校の生徒には、子供たちを日々支える教員がいます。障がいの重さによって、できることはマチマチです。その全員が晴れ舞台に立ち、高校生活を有終の美で飾ることは、先生方の努力なしではあり得ません。先生方は文化祭では裏方かもしれません。拍手を浴びるのは、生徒たちです。しかし、私は現代のアニー・サリヴァンである先生方に、大きな拍手を送りたい。

熱い志を持ち、教員を目指す方が増えることを願うと共に、自身もそれに倣い、支えが必要な方たちの伴走者になれることを願う1日でした。

ムリンズ由美子

PROFILE
クリップスグループ代表:ムリンズ由美子

東京都在住。一男一女、施設に暮らす兄、黒柴犬(オス)、アメリカ人の夫。
幼い頃から身近な家族を含め、多国籍の障がい者、高齢者と接する機会に恵まれました。
その触れ合いは、人間の純粋な本質と、障がいや高齢の方々の世界には、国境がないことをおしえてくれた、私の原点です。