進路について考える…の巻 ②ダメな理由ばかりの残念な現状

こんにちは!クリップスのムリンズ由美子です

気付くと衝撃のクビ事件からさまざまなイベントが時間軸上で流れ、ついには我が家にもクリスマスツリーがピカピカ光る季節になりました

現在ショウは、とある生活介護の施設に入っております。

結果だけ書くと、本当に「点」で表現できるのですが、この「点」に辿り着くまでの道のりは、たくさんの悩ましい日々がありました

私は社会に出てから、福祉の世界に迷い込むまで、ずっと民間の企業にいました。20代後半で最終学業を海外で修めた後は、そのまま国外市場で仕事をしてきました。勤めた企業から日本市場への進出プロジェクトを担ったときも、「外国(・・)市場への進出」と言うアプローチでした。日本だけではなく、未開拓の市場参入では、焦点は常に、「どうやったら参入できる?」

不可能を排除する

どうしてダメかではなく、どうやったらできるかを考える

この目標を、寝ても覚めても考えており、いつしか私の考え方の根幹となったと思います

さて、話を戻すと、そう、ショウは現在、ある生活介護に通所しております

前回に記した通り、7月末に、とある、就労継続支援B型の作業所をクビになり、その後、実にたくさんの作業所を見学しました。いくつか実習もさせていただきました

そして、この進路先の探究は、普段はへこたれない私の心が折れそうになる道のりとなりました

(親バカの前提)ショウは、障がいがあろうがなかろうが、私にとってはかけがえのない、宇宙一の息子です。そりゃあ人とは違うし、学び方だって違うし、誤解も受けるけど、親バカの目を通すと、無限大の可能性を持っている息子なのです。どんな審判が下されても、親だけは、子供を信じてあげたい

しかし、そんな親バカの妄想をよそに、結構な数の作業所と、実習先で、けんもほろろに否定される日々でした

「てんかん発作があるから無理」

「作業の途中に立つから無理」

「3時間作業に集中できないから無理」

「他の利用者が受け付けないから無理」

無理無理無理無理

公平な立場から言うと、事業所のリスクは理解できなくはないのです。事故があってはならない、工賃の極限化を目指すB型のためには、とにかく仕事の生産性重視、経営理念に反する、など…しかし…

わかっていても、チクリと痛い否定があることは事実です。

「なぜダメかはよくわかったのですが、どうやったら受け入れられるとか、お考えにはならないんですか?」

自分の息子でなかったら、私はいとも簡単にこの言葉を吐いていたと思います

自分の子供だと、親の我儘にしか聞こえないからです。仮にシレっと言えたとしても、やはり否定された事業所にはお世話になりたくないので、ただの捨て台詞になります

そして、本当にたくさんの事業所に「無理」と言われ、私はショウの耳を塞いであげられなかったことを悔やみます

ショウは自発的に話す子ではありません。それ故周りは、ショウの理解度が低いと判断します。しかし、母親の私が言うのも何ですが(と言うか、母親だからわかっているのですが)、ショウの理解度と言うのは、著しく高いのです。だから、そういうマイナス発言を、目の前でズケズケされると、やはり彼は傷つくのです。親としてはやめて欲しいですが、そういうこともまた、起こります

とまぁ、そうやって「なぜダメか」を繰り返され、いつものエネルギーが削がれてしまう道のりでした

実習先で、「何ができなかったか、何が悪かったか」だけが記される連絡帳もあり、建設的に考えることも必要だけど(できないことをできるようにするなど)、未完成人間な私はその日はなかったことにします!

そんな経験を通じて、やはり自分のイデオロギーは、自分で具現化しなくてはならないのかなぁと感じる今日この頃です

イデオロギーの具現化

クリップスの次のステージになるのかなぁ

次に続く

ムリンズ由美子

PROFILE
クリップスグループ代表:ムリンズ由美子

東京都在住。一男一女、施設に暮らす兄、黒柴犬(オス)、アメリカ人の夫。
幼い頃から身近な家族を含め、多国籍の障がい者、高齢者と接する機会に恵まれました。
その触れ合いは、人間の純粋な本質と、障がいや高齢の方々の世界には、国境がないことをおしえてくれた、私の原点です。