クリップス・紀元前…の巻
こんにちは!クリップスのムリンズ由美子です。クリップスを創立して2年半の月日が流れました!
栄えある第一回目のつぶやきは、クリップスの遥か前・・・旧約聖書で言うなら「創世記」と言ったところです。
3年前。唐突に「福祉・介護事業に乗り出す!」と言う私の言葉は、周囲にとっては雑音みたいなものでした。
一時の気の迷いか、飲み過ぎだろう・・・そんなレベルの話だと思われていました。
それまでの人生が、福祉や介護からは程遠いところにあった(ように見えた)と言えば、たぶんそうなのでしょう。
が、気の迷いでも、飲みすぎでもなく、至って真面目に、随分前から考えていたことでした。
ある意味、生まれたときから考えていたと言っても過言ではありません。
タケは、5歳離れた私の兄で、重度の知的障がいがあります。医療過誤に因るものでした。
その上、「超」重度の自閉症的行為付き(重度のチャンピオンみたいな人物です)。
現代社会において、兄の歩む人生は、難易度の高いハードル走と言えます。いわゆる「普通」と呼ばれる社会では、兄に対する理解は困難かもしれません。
コミュニケーション能力が希薄な兄は、強烈な行動で表現します。
弄便(読んで字の如く:塗れることもアリ)、放尿、脱衣、自傷、奇声、その他、想像力を持っても思いつかないような行為も多々アリ。妹の私でさえ、そのクリエイティヴィティに、腕を組んで唸ってしまいます。でも、これら全ては、兄からの何かのメッセージなのです。
まぁ、なかなか手ごわいのです。
お世話になっている施設では「タケを担当したら人生大体のことは驚かない」と言う、勲章まで貰っています。
そう。やっぱり兄はチャンピオンなのです。
重度障がい児は、親にとって大きな課題です。私の両親も例外ではなく、奮闘している姿を見てきました。
が、しかし、親にとっては大きな課題であっても、その環境に生まれた妹には、兄はごく当たり前の存在でした。
「由美子は歩き始めると、右手で毛布を引き摺りながら、左手はいつもタケの手を引っ張って、どこに行くのも一緒だった(らしい)・・・タケのトイレも・・・」
トイレ二人体制は日常の光景で、小さい頃からオシッコの行方を確認するのが妹の務めだったようです。
私は生まれつきおせっかいです。そして、何より、この個性溢れる兄が大好きです。
兄のタケが私の人生に大きな影響をもたらす、アダムとイブであることは言うまでもないですね。
次回に続く~
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